カニの種類と旬の時期とは

野菜や魚介類を美味しく食べるには、その旬の季節を知ることがとても大切なことになります。そしてカニの場合は、種類によって旬が若干違ってきますので、それぞれの種類と旬の関係を知っておくことが、おいしいカニを食べる秘訣になります。今回は、ぜひそれを知っておいてください。

 

一般的に知られている人気のカニと言えば、ズワイガニ、タラバガニ、毛ガニ、そして花咲ガニあたりでしょうか。実はこれらのカニは、それぞれ漁獲時期が違います。ほとんどのカニの種類では、乱獲による資源の減少を防ぐために、地域によって、その漁ができる時期というのが厳格に決められています。

 

ズワイガニ

大人から子供まで、誰にでも人気があるのが、ズワイガニです。このズワイガニは、獲れる場所によって松葉ガニや越前ガニとも呼ぶように、ブランド化されています。日本国内でズワイガニが獲れるのは、石川県、福井県から京都府北部、兵庫県、鳥取県にかけた日本海側と、北海道のオホーツク海です。日本海側で獲れるズワイガニの旬は、11月〜翌1月、あるいは2月頃までになります。

 

一方でオホーツク海で獲ることができるズワイガニの旬は、4月頃〜6月頃と春先から初夏になります。同じ種類のカニでも、獲れる場所によって旬が違いますので、購入する時はどこで獲れたのかをチェックしましょう。

 

タラバガニ

タラバガニの日本国内の主な漁場は、北海道のオホーツク海周辺です。タラバガニは主にカニ刺し網漁という方法で獲られ、その漁期は、12月15日〜翌年5月31日まで(地域によって違う)と決められています。

 

日本で流通しているタラバガニの95%は、ロシアやカナダからの輸入で、北海道でとれたタラバガニは貴重品です。国内では稚内港が水揚げ量では日本一で、ここでの旬は4月〜5月で、この時期が一番甘みが強くなる言われています。

 

また11月〜2月に獲れるタラバガニは、脱皮後で殻が硬くなっているので「硬カニ」と呼びます。この硬カニも身が詰まっていて美味しいと言われています。

 

毛ガニ

毛ガニは、北海道が本場としてとても有名です。北海道以外では、能登半島付近の日本海や太平洋側など、比較的広い地域で獲ることができます。

 

北海道での毛ガニの漁期は、4月〜8月と11月〜12月の2回あります。カニといえば冬の味覚という印象がありますが、北海道の毛ガニは、春から初夏にかけてが一番美味しい旬の時期と言われています。

 

この時期の毛ガニは、身入りがよく、蟹肉やいわゆるかにみその味が濃厚になるのもこの時期です。そして冬場の毛ガニは、堅カニと呼ばれ、この堅カニも身もミソもぎっしりと詰まっていて美味しいとされています。北海道の毛ガニは、漁場によって旬が少しずつずれているので、そのあたりにも注目しましょう。

 

花咲ガニ

花咲ガニが獲れるのは、国内でも北海道根室沖のみとなっているので、比較的めずらしいカニと言って良いでしょう。この花咲ガニの漁期は、8月〜10月頃のごく限られた時期だけです。

 

この花咲ガニも、タラバガニ同様、ヤドカリの仲間ですが、タラバガニよりもサイズが小さく、根室地方で有名な昆布を食べながら育つために、味が良いとされています。

 

以上のように、国内で獲れたものだけでもほぼ1年中、旬があるというのが、カニなのです。そして季節によって違うカニの味を楽しめるのは北海道、やはり北海道は、イメージ通りのカニの名産地であることは、間違いありません。