カニを食べると母乳が詰まるというのは本当なの?

カニで母乳が詰まる?

子どもが生まれて、自分の母乳で育てる人も多いでしょう。ところで授乳中赤ちゃんに影響を与えないように、食べ物に母親はいろいろと気を使うでしょう。その中でしばしばいわれているのが、「授乳中はカニを食べないこと」というものがあります。なぜ授乳しているお母さんがカニを食べてはいけないといわれているのでしょうか?

 

カニが母乳に良くないという理由の中の一つに、母乳が詰まって出が悪くなってしまうからというものです。授乳をした経験のある女性に話を聞けばわかるはずですが、母乳の出が悪いなと感じる日もあります。しかし結論から言ってしまいますが、カニを食べたことで母乳が詰まって出が悪くなるということは考えにくいです。

 

母乳を詰まらせる原因ですが、確かに母親が授乳中にどのようなものを食べているかは重要な要因となります。その中でも詰まりやすい成分といわれているのが、脂肪分や糖分といわれています。カニは脂肪分も糖分もそれほど多くないです。むしろ揚げ物や肉などの脂身、乳脂肪、スイーツなどの方が母乳のつまりを誘発しやすいです。
もし脂モノや甘いものばかり授乳中食べていると、母乳が詰まりやすくなって、場合によっては乳腺炎を起こしやすくなります。食生活の中でも栄養バランスに気を付けて、献立を考えていくことが重要です。

 

赤ちゃんとカニとの関係

授乳中にお母さんがカニを食べてはいけないといわれる理由に、母乳の詰まりの他にもう一つアレルギーの関係があります。カニをたくさん食べてしまうと赤ちゃんがいわゆる甲殻類アレルギーを発症してしまうのではないか、というものです。こちらも結論から言ってしまいますが、赤ちゃんのアレルギーの原因となる可能性は十分あります。

 

もしかすると赤ちゃんは生まれた時点ですでに何らかのアレルギーを持っている可能性があります。中でも甲殻類アレルギーはほかと比較して発生確率が高いといわれています。もし赤ちゃんが既に甲殻類アレルギーを持っていると、お母さんがカニを食べたことでそのお乳を吸った赤ちゃんがアレルギー症状を起こす可能性があります。

 

ちなみに甲殻類アレルギーの他にも赤ちゃんのアレルギーとして、注意すべきものがあります。代表的なものとして、卵や小麦、乳製品、ソバ、ラッカセイなどがあります。一つ一つのアレルギーのチェックをするのは大変と思うかもしれませんが、小児科や皮膚科に行けばパッチテストを行っているので赤ちゃんがどのようなアレルギーを持っているか、比較的簡単にわかります。早めにこのパッチテストを受けてみると良いでしょう。

 

カニアレルギーの症状はどのようなもの?

もし赤ちゃんにカニアレルギーがあって、お母さんがカニを食べて授乳した場合、どのような症状が現れるでしょうか?代表的な症状として、じんましんがあります。

 

口の周りや唇、のど、目、耳などが赤く変色する、症状が進むとお腹や背中にじんましんが出る赤ちゃんもいるようです。もし授乳した後2時間以内にこのようなじんましんが出たら、甲殻類に赤ちゃんがアレルギーを持っている可能性は高いです。カニの摂取を即刻止めて、医者の診察を受けた方が良いです。

 

カニに対するアレルギー反応ですが、最初の発症時はあまり重篤化することはないです。しかし2度目以降になると腹痛や嘔吐、下痢、さらにはアナフィラキシーショックといって呼吸困難や意識障害を引き起こして重篤化する危険性があります。ですから赤ちゃんがカニなどの甲殻類アレルギーを持っていないことがはっきり分かるまでは、授乳中カニを食べるのは控えた方が良いでしょう。
また母親が妊娠・出産を経て、それまで大丈夫だったカニアレルギーを発症するケースも稀ですがあります。もしカニを食べて、自分にじんましんが出た場合、カニアレルギー体質になってしまったと思って、カニを食べるのは控えるようにしましょう。